コラム


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OYAJI NO UTA

by 安藤弘志

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オヤジのうた曲名リスト

 

VOL.770 * 2021/05/29


「週末の沈思黙考」

前回のコラムから一ヶ月がたったのに未だオリンピックの中止が発表されません。
コロナウイルス感染症の流行はインド変異株とかいうものも加わっておさまらず、
ワクチン接種もあれこれすったもんだでスムーズに進まず、「開催の機運」なる
ものがさっぱり盛り上がっていません。これでずるずると開催に進んだ場合に
準備不足と場当たり判断のあげくに悲惨な大会になりそうな心配を誰もがして、
第二次大戦の日本陸軍インパール作戦との類似を指摘する声が上がっています。
ことのなりゆきを野次馬気分で見るだけなら気が楽ですが、我々一人一人も
考えて判断すべき機会が増えそうです。まずはワクチンの申し込みを急ぐべきか
ゆっくりすべきか、またはしないで済ますのかということ。日々の行動でも
買い物、娯楽、飲食、旅行の可否について判断しなければなりません。
内閣不信任案が可決されて選挙の一票を投じる機会がすぐに来るかも知れません。
梅雨の晴間の休日は、ダービーの勝ち馬推理だけでなく、世の中の
大きな流れがどうなっているのかじっくり考えることに費やす必要がありそうです。

 

VOL.769 * 2021/04/26


「聖火ジャガノート」

2021年開催でも「東京2020」と銘打った五輪大運動会の聖火リレーが、故郷の街で
行われた様子をネット中継で見てみました。市役所の前で当地ゆかりの宗兄弟が
一つの聖火を代わる代わる持って走り始めましたが、何と言うか走り方がゆるゆる
ぐだぐだで名高いマラソンランナーに申し訳ないようなイベントでした。新型コロナ
感染症対策でなるべく短い設定区間で多数のランナーを参加させるべく速度制限を
かけたのでしょうが、形だけ走って速度はつけない不自然な動きを左右に付いた
伴走係員たちも一緒にするもので何とも奇妙な儀式としか見えません。公式チャンネル
ではこの聖火保持者の一団を直前を走る中継車から映すばかりですが、投稿された
動画を見ると前方には警察車両とスポンサー企業の大型宣伝車両が連なる大車列が
先導しているようで、「資本論」で例えに使われるヒンズー教の神像を載せた山車(だし)
「ジャガーノート」を思い浮かべてしまいました。この奇妙なイベントに協力させられた
役所や警察の皆さんも内心「五輪開催は無理じゃないの?」と思いながらも
課せられた勤めを黙々と果たされたのでしょう、「王様は裸だ」と叫びたいのに。

 

VOL.768 * 2021/03/26


「歌が無ければ」 ソニー・ロリンズ

風は少しひんやりするけれど、降り注ぐ日差しは優しく桜の花々を照らして心地よい
春の午後です。ついにお上も推奨するようになった「窓から独り花見」ですが、
1962年に原盤の出たロリンズのLP、「ザ・ブリッジ」をかけて始めました。FM番組
ジャズ・トゥナイトで大友良英さんがジム・ホール特集をやった中で彼がギターで
参加したこのLPを紹介して誉めたのを聞いて久々に聴きなおす気になりました。
一曲目のスタンダード "Without a Song" ですけど「歌がなければ」を検索すると
スティービー・ワンダーの "I Gotta Have A Song" しか出てこないので驚きました。
グーグルばかりに頼ってはいけないと自戒しつつ本棚にある野川香文著の
「ジャズ楽曲の解説」という分厚い本をめくります。ヴィンセント・ユーマンス作曲の
この歌は1929年のミュージカル「グレードデイ」のために書かれて、他の挿入曲
"More Than You Know" などと共に「流行に投じた」とあります。のちに
フランク・シナトラの歌唱でスタンダードとなりウィリー・ネルソン等多くが手掛けます。



VOL.767 * 2021/02/20


ナオミの夢」 ヘドバとダビデ

大坂なおみ選手の輝かしい四度目の四大大会制覇となる今日の全豪オープン決勝は
土曜日のゴールデンタイムにNHK地上波で生中継されるという幸運もあり、多くの
日本人にとっても印象深い瞬間をもたらしたことでしょう。ふくよかな褐色の肌が汗で
輝き、愛らしい無垢な表情でオーストラリアと全世界の人々に暖かい気持ちをもたらした
彼女の存在はひたすら喜ばしい限りです。旧約聖書に出てくるナオミさんは、飢饉のため
母国を離れ夫と息子も失い嫁のルツと二人で故国へ戻りますが、義母と寄り添い懸命に
生きるルツをみそめたイスラエルの有力者が妻として迎え、その子がダビデ王の祖父と
なり、子孫からイエス・キリストが誕生する結果となります。逆境にめげずに歴史に名を残す
「ナオミ」。アメリカではネオミと呼ばれがちですがオーストラリアなのでナオミと呼んで
もらえます。私が中学三年の頃、第一回東京国際歌謡音楽祭でグランプリをとった
表題曲を聴いていた時は50年後にも神通力のある名前とは思いもしませんでした。
 



VOL.766 * 2021/01/16


「方向転換を想う」

2021年の1月は新型コロナ感染症の第三次ピークとやらで感染者数はじめ各種
指標のカウントが最高数値と報じられることにも、すっかり慣れてしまいました。
クリスマスもカウントダウンも初詣も成人式も…。無くたって別に大して困らないと、
感じた人も増えたかもしれません。他にもこの機会に必要性の再検証を迫られている
かもしれないモノを挙げてみると、大掛かりな結婚式、葬式。そしてオリンピック。
業界としてのダウンサイジングが迫られるのが国際航空業に外食産業でしょうか。
リニア新幹線と首都圏の深い地下に作る高速道路もこれを機に断念してほしい。
水野和夫著「閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済」(2017/05集英社新書)の中に
「より遠く、より速く、より合理的に」という資本主義の限界に至った日本は、ここで
「より近く、よりゆっくり、より寛容に」という方向に向きを変えるのが良いと提唱
されています。すでに以前からあった転換への必然がコロナ禍で背中を押される
ように大きな力で動いているように感じているのは私だけじゃないような気がします。
エネルギーを含めた地産地消へ向けてゆっくりとリストラクチャーを始めましょう。
 



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