コラム


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みんなのうた 1997〜2011 DVD全5枚
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OYAJI NO UTA

by 安藤弘志

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オヤジのうた曲名リスト


VOL.547 * 2008/12/31


お正月には本を

有馬記念も、グランプリも、大納会も終わって、大みそか。静かな午後です。
このあいだ実家の本棚から抜いてきた古い書物に目を通して考えました。
━ブルジョア階級は大規模な搾取によって、みずから招いた人民大衆の零落
により、商品の市場を失い、生産の停止を余儀なくされる。他方、幾千万の
人民は、商品の不足からではなく、商品の過剰生産によって失業と飢餓に
苦しめられる。━マルクスエンゲルスが19世紀に予言した書物を少々齧ったのは、
高校生の頃でしたが、21世紀にこれを目の当たりにするとは、いささか感慨深い
ものがありますね。トヨタやキヤノンの社長は、派遣の若者が車やプリンターを
買い、なおかつ将来の客たる子供もつくる事が出来ると思っていたのでしょうか。
さて、来年以降の世の中がどう動くのか考えるにあたっては、いましばらく
「下部構造(生産関係)と上部構造(政治や思想)の歴史的必然」について、
前々世紀の先達の知恵に頼りたくなってきました。読書の正月もいいもんです。


VOL.546 * 2008/12/23


「小さな汽車」 エグベルト・ジスモンティ

この時期、ふとしたはずみで何十年も前の年の瀬の記憶が甦ったりします。
ロードサイドレストランチェーンの店長をしていた頃、クリスマス用の鶏の丸焼きを
作製・販売したことがありました。キッチンのメンバーが徹夜で焼き上げるそばで、
足の先に飾りをつけたり、箱詰めしたりの手伝いをして、夜が明けたら車に積み込み
配達と、今考えればタフなイブイブでした。配達先には郡部も含まれ、慣れない山道を
運転しながら聞いていたカセットテープに表題曲が入っていたことをなぜか覚えています。
FM放送のラテン音楽の番組から録ったのだと思います。今は手元にないので
演奏者も推定です。曲名は長いこと「少年と汽車」と覚えていたのですが、検索で
まったく当たりませんでした。ブラジルの作曲家ヴィラ・ロボスの作による
「カイピラの小さな汽車」(ブラジル風バッハ第2番)から派生した曲のようです。
とにかく山道の風景と不思議にマッチして愉快な気分になれたことを思い出します。


VOL.546 * 2008/12/10


「ウイズアウト・ア・ソング」 ウイリー・ネルソン

景気の悪い年の瀬に、せめて心の中から潤うような音楽を想い起こしたいなと、
探してみたらこれがありました。数多くのスタンダードナンバーの作曲者、
ビンセント・ユーマンスがミュージカル「グレイト・デイ」に書いた名曲です。
このミュージカルが世に出たのがなんと1929年なのですね。ニューヨークの
「暗黒の木曜日」に端を発する世界恐慌の始まった年です。あの当時に人々を
元気付けた曲としては「明るい表通りで」(1930)が有名ですが、この曲も
派手さはないものの、しみじみと希望をわきたたせてくれる内容になっています。
「何が雨を降らせているのか知らない。何が草を伸びさせているのか知らない。
だけどこれだけは知っている。歌が無ければ愛さえ無くなっちまう。」
淡々と繰り返される「歌が無ければ…」が、いつしか「歌さえあれば」と前向きな
気持に伝わってくるところが不思議で魅力的です。


VOL.545 * 2008/11/28


「熊本競輪 雑感」

寒風や時雨にもめげずに昨日から三日間の競輪開催がおこなわれています。
地元でも話題になることも少ないので今日はこのテーマで少々言わせてください。
市営競輪事業の担当者がPR委託先の業者と癒着して汚職事件を起こした問題で、
有識者委員会の改善提言が本日出たそうです。「不正を誘発する職場環境」とは、
つまるところ競輪事業に対して特定の人しか関心を持っていない点が問題でしょう。
全国に47箇所ある競輪場のうち、日本最南端で、最長の直線走路を持つ施設を
もっと有効に活用しようという姿勢が、主催者である市に不足しているのが残念です。
CS放送やネット中継が発達した現在、工夫次第では日本中から売上金を集めて、
政令市を目指す市の財政を助けることも可能です。名古屋圏の主催者などは、
中継や発売方法など見習う点が多いのですが。熊本はHPも面白くないし、ネット
動画もとぎれがちです。今日のメインレースでも圧勝した服部克久選手や九学出身の
19歳で躍進中の松川高大選手と、熊本の選手はこれから注目を浴びる好機を
むかえています。まずは動画回線の改善から即刻やってくださいね。
今のままでは、レースの発走時にネット視聴者が増えた瞬間に動画が無音の
静止画に変ってしまい、全国からそっぽを向かれること必至ですから。


VOL.544 * 2008/11/13


「悩ましの毒まんじゅう U」

半月前に話の発端が出て、前回のコラムに取り上げた「定額給付金」の問題。
世論調査によると、政策として評価しないという声が多数だったとも聞きますから、
庶民の良識と意気も捨てたモンじゃないと嬉しくなります。今特に気をつけて
欲しいのはマスコミの報道姿勢ですね。どうも気になるのがNHKのニュース。
政府広報のようなスタンスでこんな風に配ることになりそうですと、実施が既定の
事実かのような言い回しに聞こえます。私の妻もさっき、あら楽しみねなどと
無邪気につぶやいていました。与党内調整の案を政府の具体的な策と混同させ
ないで欲しいのです。「現金」を目の前にぶらさげるのは、人間の弱点を揺さぶる
重大な行為です。下手をすると世の中のあちこちに、人間の醜い部分が
出現しそうな心配があります。まず政策としてそもそも正しいのかどうかが、
国会の場で堂々と議論されることを待つのが報道する側の姿勢でしょう。
それと、景気対策の代案をひとつ。国内自動車工場関連の非正規雇用者の
大量整理が進んでいます。メーカーの不況が販売会社や地域の三次産業
を潰す心配も出てきました。この際、国内で車が売れるしかけをしては。
自動車取得税、初度重量税の時限撤廃を一二年してはどうでしょうか。
実際には地方税が減ると困るので、国が代りに払う形が良いでしょう。
街を見回せば十年以上我慢して使っている自家用車の多いこと(ウチも)。
ただ、すみやかに実行しないと買い控えを呼んだりして難しいのですが。


VOL.543 * 2008/10/29


「悩ましの毒まんじゅう」

深刻な景気先行き不安を少しでも払拭しようという名目で、総額2兆円からの
現金が国民の前にぶら下げられることになりそうです。一人当たり2万円位が
モチ代とかお年玉の雰囲気で配られる話になるのでしょうか。正直なところ、
「ありがたい」「欲しい…」私もそんな気持、少しわきました。しかしこれって、
まさか「毒まんじゅう」じゃないでしょうね。これを食べた人が喜んで選挙で
与党に投票したあかつきには、税金無駄遣い体質の温存の果て、大増税が
待ち構えていたりして。もらうモンだけもらって、投票せんのがイチバンか?
さておき、野党には「景気対策じゃなくて選挙対策だっ」と批判するだけで
なく、99年の地域振興券の効果の徹底検証と、その後の十年の国民生活が
どうなったかを俎上に載せて国会で徹底的に議論していただきたい。
「現金」の話ですから国民の関心も非常に高いものになるはずです。
あと、休日の高速料金を千円乗り放題にして行楽の車に遠出をしてもらおう
という案も政府与党であがっているそうですが。道路特定財源維持の時には、
地球環境問題を持ち出した、あの言い草はなんだったんでしょう。


VOL.542 * 2008/10/19


「ムード・インディゴ」 チャールズ・ミンガス

秋も深まり日曜の午後はスポーツ観戦で、とにかく慌しいのです。今日とて、
西武vs日ハムのプレーオフから、競輪の海外選手招待戦、それが終わると
京都競馬場で牝馬三冠の「秋華賞」の発走。あいまにゴルフの日本オープンを
覗いたり、タイミングを考えながらチャンネルとアタマの切り替えを行ないつつ
楽しませていただきました。巷には世界恐慌を取り沙汰する声もありますが、
心理の悪循環を断つためにもスポーツの盛り上がりはけっこうな効果があるのでは
ないでしょうか。せいぜい小金は惜しまずに内需拡大に寄与したいものです。
表題曲は「秋華賞」三連単配当1,098万円という景気の良い話題をもたらした一頭、
福永祐一騎乗の馬名からとりあげました。四コーナー手前から早めに外回り
コースを選んだのが勝馬との差となって、ゴール前惜しかったですね。
エリントンナンバーを愛情深く演奏するミンガスの盤をかけて想いを鎮めます。


VOL.541 * 2008/09/30


「アメリカ離れを」

アメリカの金融資本主義が崩壊の危機に瀕して、遅かれ早かれ本当に崩れることに
なりそうです。税金投入があろうとなかろうと、結果として大儲けしてきたウォール街
の尻拭いを、低所得勤労層の皆様も含めて、していくことになるのでしょうか。
心配なのはこれまで、アメリカに踏みつけられてもゲタの雪の如くしがみついてきた
日本の政治家・官僚の動向。頭を切り替えられない人は、早く代ってもらうしかないですね。
ドルが基軸通貨の用をなさなくなったために、国際決済や様々な基準の決め方を、新しく
作り直す必要も生じるでしょう。それを悪影響と受け止めるか、ビジネスチャンスと受け止め
るかは今後の日本の行方を大きく左右する筈です。国内政策で急がれるのは、原油高の
せいで人が動かなくなったために、外食やレジャー・サービスなど小売現場で、
店舗閉鎖、雇用悪化が始まっていることへの対策です。道路特定財源暫定税率を
即刻j撤廃して、消費や企業コスト面への幅広いカンフル効果が今すぐ望まれます!


VOL.540 * 2008/09/24


「お疲れ様、王さん」

ソフトバンクホークスの王監督が引退声明をした翌日の今日、ホームゲーム最終戦
である対オリックス戦をJスポーツチャンネルで、ずっと観戦していました。
従来の感覚からすれば、最終戦ぐらい勝ってもおかしくないホークスですが、大石大二郎監督
率いるバファローズが終始、真摯な態度で自分たちの野球をやった結果として、4対1で
あっさり負けてしまいました。タフィ・ローズの必死な走塁の末の二塁打に象徴されるように
彼らの戦いぶりからは、王監督への尊敬の気持を感じることが出来ました。もしも
今日のオリックスのナインに対してKYだ何だとほざく声があったとしたら、それは真の
野球ファンの声ではありません。必死の戦いの末に勝者と敗者の在るのがスポーツであり、
敗者に何の報酬は無くとも、将来への希望は確保される、そんな中で生きて行くのが
スポーツマンの矜持だとわかる人はわかっています。不満を言うとすれば、こんな
意味のある試合を放映できなかったTVキー局のふがいなさ。さらに言えば、王さんの
現役選手引退試合に敵チームから中日の大島選手が花束を渡したように、今日の
対戦チームから、例えば清原選手などにそのようなことをしてもらう企画を実行できなかった
スタッフの方々には少々苦言を呈したくなるような気持です。


VOL.539 * 2008/09/18


「資本主義崩壊?」

素人考えをするしかいないのですが、ここ数日のアメリカ経済の様子は、
サブプライムの山火事がついに町の中心に延焼し、主要な建物にも火の手が廻り、
いくつかは骨組みごと崩壊し始めている。そんな様子に見えてしまいます。
今回破綻したリーマンブラザーズは1910年代にニューヨーク連銀を共同設立した
一員とのこと。米国資本主義の黎明から絶頂を経るまで中心にあった名門の崩壊は、
日本の1990年代、山一長銀などのケースを凌ぐインパクトで、今後どのあたりまで
燃え広がるのか、「爆発」を伴うのか不安はつきません。はっきりしているのは、
世界に対する米国の影響力と、通貨「ドル」の価値が、今後さらに低下して行くことです。
資本主義が「実業」から離れて行き、レバレッジとやらの虚構の上での仕事に
比重を移しすぎたゆえの自壊でしょうか。額に汗した労働の結果と、「先物取引」とか
「空売り」で儲けるという虚業の存在とが、いつまでも共存できる筈がありません。
心配なのは日本政府が保有するという米国債をはじめとしたドル資産のゆくえ。
自民党は茶番の総裁選を即刻中止し、選挙管理内閣の下すみやかに総選挙を…
したりはしないのでしょうね。ことによったら米財政危機のため極東駐留米軍の
全面撤退だってありうる気がするのですが。この場合、中露韓などとの理性的で
親密な関係構築と、危機を煽る軍需利権勢力を排除できる政権が必要になるでしょう。


VOL.538 * 2008/09/13


「輸入米の怪」

国が安値で売った「事故米」とやらを、食用と偽って転売し差益を得た今回の
「三笠フーズ」事件。日本でも南端にある清酒醸造元としても知られる熊本の
メーカーでも大量の回収騒動となりました。詳細を聞けば、同社の清酒の中でも
大衆的な価格の製品の原料に問題の米が使用された由。昔の言い方だと二級酒って
やつですね。私も専らそちらの方にお世話になる機会が多く、今回の回収銘柄を
飲んだ心当たりも多々あります。ただ、製品や製造タンクから農薬やカビ毒成分は
検出されていない段階での回収の決定には、食品会社としての真摯さもうかがえます。
そのうえで素人考えの疑問をつぶやかせてもらうとすれば、「臭い飯」という表現が
よくありますが、長期保存で変質した事故米を触ったり過熱した段階で、臭いと
思わなかったのだろうかという疑問です。ついでに言わせてもらうなら、日本政府が
  ウルグアイ・ラウンド農業協定とやらでいりもしない輸入米を買い続けている
そもそもの理由がやっぱり、うさん臭い気がするのです。


VOL.537 * 2008/08/31


「夏の六週間」 
伊東ゆかり

8月31日という日付だけで、子供の頃の独特の気分がよみがえったりします。
そして夏休みや冬休みが終わり、始業式から帰った昼時のTVに毎年決まって映る
「防災の日」とか「出初め式」の消防関係の映像。そんな細部の情景まで思い出します。
ところで、夏の終わりの名曲集に追加したい一曲 も浮かんできました。表題曲の原題は、
”Six Weeks Every Summer”。ヴィッキー・カーなどでヒットしたカントリーの曲です。
人気の女性歌手が、夏休みのひととき愛娘と過ごし、別れた直後の喪失感と、
気を取り直して明日から歌の旅に出る決意のような心の動きが細部の描写で描かれます。
伊東ゆかり宮前ユキのような上手で声の通る歌い手が歌うのに耳を傾ければ、
時として涙がこみあげてくるほど聴く者の心を揺さぶります。
♪明日からわたしはまた旅に出る 私がえらんだこの歌の道 何時かあの娘もわかってくれる
唄い続ける わたしの生き方… 1970年代なかばの埋もれるには惜しい佳曲です。


VOL.536 * 2008/08/14


「20度の焼酎」

芋焼酎に代表される本格焼酎=乙類のアルコール度数は、25度(%)が一般的でした。
これは想像するに、六・四のお湯割りにして、ちょうど日本酒に近い15度ぐらいの
濃さになるからでしょう。鹿児島、熊本両県を始めとして、全国的に流通する銘柄の
主流は25度となっています。ただ、宮崎や大分の地元民愛飲の銘柄は、昔から20度が
中心です。こちらは、オンザロックにしたり、ストレートや軽い燗でちびちびと味や香りを
楽しむのに向いています。私が焼酎を飲み始めた環境には、いつも「霧島」の20度が
傍に在ることが多く20度の手軽さにすっかり慣れていたのですが、熊本で暮らし始めた
当初は入手が困難で苦労したものです。ところがこのところ、20度焼酎の密かなうねりの
ようなものを水面下に感じます。諸物価高騰の折ちょっとでも価格の安いものを求める
需要がきっかけかもしれません。芋・麦などの20度銘柄が買える場所が増えただけでなく、
米を原料にする球磨焼酎のメーカーにも20度商品の販売に積極姿勢がでてきました。
このまえ人吉で手に入れた「繊月」の20度は、清酒の吟醸香に通じるような味わいが
絶妙で、ただ薄くしただけじゃない工夫を感じましたね。海をへだてた韓国でも焼酎
業界各社が20度の開発競争をしていると聞きます。安くて美味しい商品の開発が、
あちこちで行なわれることに期待したいですし、お土産の一品にお勧めする次第です。



20度焼酎紙パック
(左から、宮崎とうきび焼酎、鹿児島芋焼酎、熊本米焼酎)


VOL.535 * 2008/08/10


「CO2より清潔」

「週刊朝日」8月15日号掲載の”ゴア元副大統領と「原発利権」(地球温暖化問題、
CO2削減は原発推進の口実なのか)”と題する記事を新聞や中吊り広告などで
目にして気になった方も多いのではないでしょうか。早速読んでみましたので、
内容をかいつまんで紹介いたします。━「不都合な真実」で地球環境問題への
関心を一挙に高めたゴア氏だが、彼の父は長年「原子力合同委員会」のメンバーで、
ウラン採掘にも関係する企業に出資している。彼自身も、核兵器・原発研究のメッカ
「オークリッジ国立研究所」と関係が深い。さらに彼とノーベル平和賞を共同受賞した
IPCCのパチャウリ議長も実は、大の原発好きでしられている。「不都合な真実」以後、
欧州などが中心になっていた「脱原発」の流れは逆に押し戻され、途上国までも
巻き込んだ原発推進の国際イニシアチブがG8首脳国レベルで進み始めている。━
5ページの記事ですので、突っ込みの浅い不満は残りますが、今やサミットから
町内会レベルまでひろがった温暖化問題に接するときにアタマの片隅に置くべき
視点だとは思います。もちろんゴア氏に反対する勢力の背後に石油利権だって
あるでしょう。専門家の学説にも、日本のマスコミにのらないものが多々あり、
それらについてはWikipediaの「地球温暖化に対する懐疑論」も参考になります。
いまのところの私の考えはこうです。レジ袋一枚がCO2何グラムだからという
論法は好きになれません。花火やオリンピックはもちろん、生きて動いているだけで
CO2排出の後ろめたさを連想させます。それよりもレジ袋を無駄に捨てたら「ゴミ」
になるからやめましょう、これでいいんじゃないでしょうか。そして最悪のゴミは、
子孫にツケを回す核廃棄物や「軍需利権」から出た無駄な殺人兵器の数々です。


VOL.534 * 2008/08/03


「この歌聞くべし」 カメカメ合唱団

少し覚悟はしていたけれど、「夏やすみ」の真ん中に赤塚不二夫さんの訃報です。
生まれて初めて買ってもらった漫画単行本が「おそ松くん」でした。小学三年に
東京に引っ越したときに、まず最初に探したのが「チビ太」のおでんを売っている
屋台でした。なかなか見つけられないまま行動範囲を広げて、ようやく善福寺公園の
池の端でそれらしきものを、発見できたときは嬉しかった…。表題曲は彼の絶頂期の作、
「もーれつア太郎」のバイプレイヤー「べし蛙」に材を採った、オールナイトニッポンの
タイアップ曲です。1960年代末の「少年サンデー」には、世の中全体の「青春」が
凝縮されていたような気がします。少なからず私の人格形成に影響を及ぼしたものが、
オカルトの世界で闘うようなものでなく、赤塚不二夫のマンガだったことは私の幸福です。
♪あたい生国と発しますにーは〜。カエルだべし、かんがえるだべし。かんがえて
結論だしたーべし。夜はーねるべし、本は読むべし、さんざんさんざんさざんざん


VOL.533 * 2008/07/24


「雲と渚と青い海」 岡崎友紀

熊本は、暑いです。何かに例えることさえ億劫になる暑さです。前回ちょっとだけ
心配してやった蝉達も7月15日には、待っていたかのように鳴き始め、いまや
場所によっては、内耳の奥が共振するような痛い鳴声だったりします。
この暑い中で働いている皆様に心から「ご苦労様」と、ねぎらいたい気持で
いっぱいなのですが、ネットの片隅でつぶやくよりも、やはり現実に傍に居らっしゃる
方々が、缶ビールの一本も片手にねぎらう方が、はるかに効果的です。該当する
皆様、そこのところよろしくお願いいたします。私としましては、そんな仕事あとの
「ビアブレイク」、ただし最初の一杯を飲んでいるときには何も耳に入りませんから、
「おてついた」後のくつろぎにふさわしい一曲を提案するしか出来ません。
表題曲は、音楽的価値というよりも「憧れの上級生のお姉さん」的声質が心地よいので。

 


VOL.532 * 2008/07/12


「メンフィス・アンダーグラウンド」 ハービー・マン

このところ九州の梅雨明けといえば七月なかば過ぎ、どうかすると夏休みの前半に
ずれこむようなことも近年多かったのです。今年のように七夕に梅雨が明けるのは、
やや異常に感じられます。過去に遡れば1994年がこんなだったとのことですが、
当時わたしは、大型量販店に勤務する身として、夏は暑ければ暑いほど売上には
好影響、ただしその分肉体的には疲れる状況に追われていて記憶が薄いのです。
さて今年は、「梅雨明け十日」のことわざ通り、晴れた真夏日が続いています。
ただ夏にしては何か物足りないなと感じていたら、思い当たりました。
あの聞くだに暑苦しいセミの鳴き声がしないのです。耳をすましてもエアコンかPCの
発する一定の高周波音がかすかにするだけです。彼らは律儀にカレンダーの日付が
梅雨明け平年日に達するのを地中で待っているのでしょうか。それとも地中で何かが…。
表題曲は40年前の夏の日に中学生でも知っていたジャズのヒットナンバーです。




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