コラム


オーディオでんき堂スクェア

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OYAJI NO UTA

by 安藤弘志

'04-6月分  '04-7月分  '04-8月分  '04-9月分   '04-10月分  '04-11月分   '04-12月分
 '05-1月分    '05-2月分    '05-3月分    '05-4月分    '05-5月分   '05-下期分  '06-上期分

  '06-下期分  '07-上期分  '07-下期分  '08-上期分   '08-下期分  '09-上期分   '09-下期分
'10-上期分   '10-下期分  '11-上期分  '11-下期分  '12  '13  '14  '15  '16  '17  '18  '19  '20  '21

オヤジのうた曲名リスト



VOL.802 * 2022/12/30


「 夜空の星 」 加山雄三

1965年に小学四年生だった私は冬休みに地元の東宝有楽という映画館で封切りの
二本立て「怪獣大戦争」と「エレキの若大将」を見ています。どちらが目当てという訳
ではなくちょうど興味のツボを得た最高の組み合わせにいそいそと出かけました。
怪獣映画のほうは木星の惑星エックス星というのが頭に残って図書館の図鑑で
調べて本当に「X星」ってあるんだと喜んだ記憶だけあります。細部まであちこち
刺激を受けたのは若大将のほうで、この映画からヒットした表題曲はクラスの皆で
愛唱して、翌年のクラス会で掃除用のホーキをかかえて口三味線ならぬ口エレキを
披露した覚えがあります。子供ながらにサビの半音旋律に正確を期すべく努力した
ものです。あと、挿入曲の「ランニング・ドンキー」も多分一回で覚えて、その後長く
頭の中に浮かぶメロディです。1970年に同じ映画館で「レットイットビー」を観る頃には
私はロック・フォークを前面に語る一方、加山雄三には父性的なコンプレックスを
抱くようになっていたかもしれません。この年末をもって歌のステージから退くとの
報に接し、この人が音楽シーンに残した偉大な財産に心から感謝いたします。



VOL.801 * 2022/12/23


「 北風の中 」 松山千春

九州の北西から木枯らしが吹きつけて、めずらしく雪のクリスマスになるかも知れません。
TVでは消費者物価の上昇率が1981年12月以来の四十年ぶりの値上げ傾向になっていると
ニュースが報じています。去年頃から自分の年表のようなものを作っているので取り出して
1981年のページを開いてみます。日記の習慣がなかったので詳しくはないのですが
四十年前の今頃は外食に勤めていたので予約のチキンの製造・販売や配達に
追われていたころになります。今と違ってバブルへ向かう上り坂の雰囲気が生活苦の
不安を打ち消していたでしょうか。振り返ってみれば26歳独身だったあの頃は、思春期を
支えあった友人集団「チャムシップ」の名残が緩やかに溶けていく季節でした。というのも
今月のNHK「100分de名著」中井久夫特集で紹介されて思いあたったのでした。中学高校と
一緒だった男女数人ずつの親しい友人関係が、それぞれ自分のこれから向き合うべき
対象に引き寄せられていったのだと今は思えます。表題曲は当時人気上昇中だった
松山千春のアルバム「木枯らしに抱かれて」のA面最初の一曲です。
♪ボクとキミの人生は ゆれる北風の中
いま暖かい部屋の中からちらつく雪を見て青春を回想できることを喜び、感謝しています。



VOL.800 * 2022/12/08


「 ひぐらし 」 太田裕美

およそ45年前の1970年代なかばに学生だった私は盆暮のギフト発送の時期には
京都高島屋の配送センターでのアルバイトを習いとしていました。京阪電車の五条で
降りて国道1号線を通る送迎バスで山科へ毎日通ったものです。大谷本廟や京セラの
本社を横目に見て新幹線と国道1号のすぐ脇に立っていた三階建てくらいの建物へ。
営業七部という食料ギフトの部署で、束になってどんどん送られてくる伝票に応じて、
品番通りの商品を棚から出し、指定ののしを付けて包装紙を掛け機械でひもを縛り
ベルトコンベアーに載せるのが主な仕事でした。ちょうど石油ショックの頃で資源節約
のための簡易包装が主流でしたが、お客様が持参するギフトだけは完全包装のうえ
茶紙でくるんでの発送もしました。ここで色んな進物包装の仕方も覚えられました。
今まで縁のなかった高級洋酒、ブランデーやワインに関する知識も蓄えたし、様々な
問屋の営業マンと交わす「まいどっ」の挨拶も堂に入ったものになりました。
表題曲はバイトの同僚が好きで職場にラジカセを持ち込んでよくかけていたものです。
太田裕美と荒井由実を混ぜた味が何とも言えず気にかかって印象的でした。
この歌詞に出てくる "eve"というお洒落な煙草の名前も今となっては懐かしいですね。



VOL.799 * 2022/11/10


「バーチャル熊本旅行」

猫を三匹も飼っているとなかなか旅行もままならず、行きたいところがあっても
日帰りが困難な場所はハードルが高いのです。しかしものは考えようで昔なら
王侯貴族でも不可能だった「居ながらにして好きな場所の景色を眺める」ことは
かなり自由にできる時代になっています。グーグルアースやストリートビューは、
その最たるものですがパソコンのスペックやネット回線の太さに制約されるのが
悩みです。いま私が主にやっているのは好きな場所を検索して画像モードにして
おいて、気に入ったものを右クリック→「名前を付けて画像を保存」で任意の
フォルダーに収集することです。付ける名前は地名の頭に表示したい順に数字を
つければバーチャルトリップのスライドショーが容易になります。50枚以上も集めれば
自分専用の旅番組が出来るので、TVなど大画面につないで好きな酒でも一杯
やりながら「呑みテツ」時間を楽しむのもよいでしょう。ただ難点は画像のサイズが
不揃いで、せっかく良い構図でも小さすぎたりするのがシャクではあります。
つきましては私のサイトで画像を収集する皆様のためにワイドビュー熊本という
大画面でテーマ別に画像を網羅したページを設けました。サイト立ち上げ当時は
画像読み取りは時間がかかるものという配慮から640x480を標準にしていたのを
1440x810という今どきのテレビ画面にふさわしいサイズでお届けしています。
熊本が懐かしい人、熊本に行ってみたい人、せひお試しくださいませ。



VOL.798 * 2022/10/29


「この国の鉄道に望むこと」

鉄道発祥150周年の記念月間を終えるにあたり、私がこの国の鉄道に望むことを
訴えさせてください。鉄っちゃん的な細かい希望も思いついていけば色々ありますが
大きな願いは二つです。ひとつは「リニア中央新幹線」をなるべく早く断念してほしい
ということ。去年6月に集英社新書から出た石橋克彦著「リニア新幹線と南海トラフ
巨大地震」
という本をぜひ読んでほしいのですが、数十年のうちに懸念されている
巨大地震で大きく動く恐れのある幾つもの断層をトンネルで貫くというバカな計画は、
いずれ深刻な障害で頓挫すると思われます。工事の断念という形ならまだ良いけど
運転開始後の重大事故によって救出も復旧も困難を極めるという、原発事故のような
悲劇は見たくありません。二つ目は不採算の理由で廃止の検討が進む地方路線の
活用計画です。いったんバス転換されるとしても鉄路自体は早々に撤去しないで
欲しいのです。車の自動運転技術が実用化されようとしている時代です。中型バス
ほどの貨物・旅客共用車両を開発して臨機応変に自動運転する仕組みを開発
出来るんじゃないでしょうか。単線でも短い行き違い設備を各所に設けてA I で
運転を管理すれば、バスやトラックの運転手不足を補って農村部の生活向上に
寄与すると思われます。前掲書でも書かれていますが、南海トラフなどの広域大災害
に備えて分散型の社会と国土を目指す政策転換をすぐにでも始めるべきです。



VOL.797 * 2022/10/14


「私のテツ歌10」

今から50年前の10月14日は、日本の鉄道発祥から100年という記念の年だったはず
ですが、何か記念の行事に触れた記憶が残っていません。「150年目」の今日は
いろんなところで鉄道の話題だらけです。ラジオで流れる音楽も何かと鉄道がらみの
選曲が目立ちますが、何か物足りないので自己流で10曲、特集番組を組んでみました。
 

鉄橋をわたると涙がはじまる 石橋正次
すかんぽ 高田渡
夕焼け 高田渡
決心 チェリッシュ
Lonely Railway 渡辺真知子
I CAME FROM 横須賀 山口百恵
裏切りの街角 甲斐バンド
ステーションホテル 古井戸
のすたるぢや 田島貴男
おくれて来た少女 シモンズ

よろしかったら一行ずつコピペして、you tube の検索窓に入れてみてくださいませ。
 



VOL.796 * 2022/09/29


グッナイ・アイリーン」 NBC西高放送部

今から50年前の9月29日、高校二年生だった私は所属していた放送部の文化祭用
出品作品を校内の視聴覚教室で放映していました。当時としては珍しかった自主制作
テレビ番組をオープンリールのビデオ機器で制作していたのです。私たちが入学した
当時からそのビデオ機器(モノクロTVカメラとビデオデッキ)は学校備品として存在
していたのですが、ほとんど使用されていなかったと思われます。ほぼ自力で使用法を
マスターした我々放送部員は、テレビ番組の制作を思い立ちます。当初はドキュメンタリー
なども候補にあがりましたが、カメラとデッキの重量は20kg以上あってあちこち動いて
映像を撮ることは不可能でした。そこで思いついたのが当時NHKの夕方帯番組で
放映されていた「ネコジャラ市の11人」を模倣したビデオ人形劇番組への挑戦でした。
人形劇の舞台を構築すれば、カメラは固定で大部分一発どり出来ます。というのも
当時のSONY製オープンリールビデオデッキとは、片方のリールから引き出したテープを
ヘッドの周りにぐるっと一周させてから段差のついたもう片方のリールで巻き取ると
いうもの。編集するためには細心の注意で物理的に切り貼りするしかなかったのです。
たぶん一か所だけ挿入歌と画像をそのようにして繋いだと記憶します。番組のタイトルは
「怪獣が町にやって来る」。自然破壊を批判した社会性のある?力作でした。
表題曲のメロディーを借用したテーマソングを出演者みんなで合唱したものです。



VOL.795 * 2022/08/18


「ぼくは広野に」 五つの赤い風船

今から50年前の8月18日、高校二年生だった私は昼過ぎに家を出て地元の延岡駅から
日豊本線のディーゼル急行列車に乗り宮崎市へ向かいました。大好きだったバンド、
「五つの赤い風船」の解散コンサートが目当てです。チケットは地元の「さわたり楽器」で
買ったと思います。そこは貴重なURCレコードの取扱店で「風船」のLP二枚を始めとして
岡林信康、友部正人など買ってました。「みおさめコンサート」と題された全国ツアーは、
宮崎の前が福岡の九電ホール、次が大分の文化会館、翌日の熊本は図書館ホールと
なっています。今の熊本市立図書館は1982年開館なので中央公民館あたりでしょうか。
メンバーは西岡たかし(歌・ギターなど)、藤原秀子(歌)、長野たかし(ベース・歌)、
東祥高(ビブラフォン・ギターなど)。
おそらく当日に福岡から宮崎へ移動したと思われ、
高速道路も無かった当時、特急列車で博多発7時半、宮崎着14時そして18時開演という
ハードスケジュールだったと推定できます。疲労軽減のためか西岡さんのおしゃべりの
部分がやたらと長かった記憶があります。表題曲は当時の最新曲のひとつで、長野たかし
がボーカルを取っていたと思います。後日高校の文化祭のサブステージで私も真似して
弾き語りをした思い出の曲。 ♪誰のせいにもしないけど 今は広野にひとり居る…


五つの赤い風船みおさめコンサートのチケット画像



VOL.794 * 2022/08/05


「好きなんだから」 小坂忠

今から50年前の8月5日、高校二年生だった私は昼前に家を出て地元の延岡駅から
日豊本線の普通列車に乗り広島を目指し旅に出ました。鉄道弘済会の売店で
紙パックの日本酒(はこさけ一代)とハイライトを買って大人の一人旅を気取った
ものです。ディーゼル機関車の牽く客車列車は遅いけれど、小倉の手前で野球場の
ナイター照明を見た記憶があるので午後九時頃には終着の門司駅に着いたのでしょう。
しばらく関門トンネル専用機関車に付け替える寝台列車達を見物したあとに、ようやく
1時半頃に大阪行きの急行「天草」に乗り込みました。夏休みで自由席は超満員、
デッキにしゃがんで少しだけ寝ました。朝五時前に岩国で降りて早朝の街を散策、
フェンス越しに米軍のファントム戦闘機の群れを見たり、有名な「ほびっと」を
訪れ、その後再び山陽本線に乗って広島へ。同級の友達数人と8月6日の8時15分
原爆ドーム前に現地集合という約束で各自広島を目指したのでした。原水禁の
シンポジウムに参加してガリ版刷りのレジュメをもらったりしたあと、太田川近くに
実家のある高校の先生の家を訪ねてご馳走になり、帰りは宇品からフェリーに乗って
別府にいた姉のところへ寄ってから帰りました。表題曲は1972年の楽曲を調べて
いてちょうど同じ8月5-6日に福岡では夏フェスとして「のこの島人間展覧会」が
開催され、遠藤賢司、三上寛、頭脳警察そして未だ無名の海援隊だどかが出演
していることが分かりました。先日亡くなられた小坂忠さんも出演していたようで
同年10月号の新譜ジャーナルに載った楽譜を見ながら歌った記憶のある曲です。
♪もっともっとー このままでいたい 好きーなんだからー



VOL.793 * 2022/07/18


「悲惨な洪水」

六月末に明けた梅雨が七月なかばにぶり返して、おとといは九州に線状降水帯の
予測まで発表されましたが、幸いにしてそれは空振り。逆に東北で猛烈な豪雨と
なり宮城県の名蓋川が氾濫して住宅や農地が被害を受けたようです。蒸し暑い
中で後片付けをされる皆様に心からお見舞い申し上げます。聞けばこの川の堤防
が決壊するのは7年間に三度目とのこと。破れた箇所の堤防は直しても次は別の
部分の堤防が破れるという繰り返しのようです。私も洪水被害者ですが私達はとても
恵まれていました。2012年7月17日の九州北部豪雨で1.8mの泥水に我が家が
つかる経験をしましたが、その年のうちに被災地の抜本的な河川改修が決定し、
翌年には補償を受けて希望地へ引っ越すことが出来ました。事前に同所の
防災工事の計画案が在ったなど有利な条件を差し引いても政治の動きは素早く
感心させられました。
それに比べると宮城県に関わる政治家は猛省すべきでしょう。
熊本の白川では河川改修に屋上屋を架す立野ダムという大規模無駄遣い事業が
進行中です。その金も人もこちらへ寄こせと声を大に叫んでください応援します。



VOL.792 * 2022/07/06


アフリカの月」 西岡恭蔵とカリブの嵐

前回のコラムを書いた六月中旬に梅雨入りして、六月末には梅雨明け。七月五日に
最初の台風が九州上陸とは、なんとも先走ったせわしない季節の流れです。そして
今度の日曜は参議院選挙、なおかつ新型コロナ感染症はもう何度目かわからんような
ピークへと感染人数の増加が報じられています。過酷な暑さの日にはずっと除湿を
つけっぱなしのエアコン部屋に家人と猫と一日たたずむも、風呂を用意した後だけは
近所を散歩したり、庭仕事したりで汗をかいて運動したりします。思い出してみれば
学生時代に寝屋川市の府道21号線の崖下のアパートの一間で、寝苦しい夜に
もだえ苦しんだこともありました。ビールや炭酸飲料を飲んだいっときだけ息をついても
やがて前にもまして寝苦しくなったりしましたが、若さの強味か翌朝はバイトに遅れない
ように出かけて電車の冷房に人心地ついたものです。ちょうど1970年代中頃が関西の電車
に次々と冷房が取り付けられた時期でした。しみじみ文明の進歩に感謝しました。

♪俺が旅した若いころは、よく聞け若いの。酒と女とロマン求めて七つの海を…
表題曲は朝ドラ「芋たこなんきん」に顔を出してる大塚まさじさんにちなんで。



VOL.791 * 2022/06/11


「おんなこどもを掲げるな」

日本維新の会の松井一郎氏が、立憲民主党の泉健太代表との論戦の中で
立憲の安全保障政策が「いつまでも昭和で止まっている、お花畑だ。」と揶揄した
上で「(ウクライナで)女性や子供たちが虐殺されている。核共有も議論すべき」と
発言したと今朝の朝刊にありました。「女子供」の被害を強調して感情を煽るような
発言は、他方に男の死傷は美化したり当然視するような古い思考が透けて見えます。
軍備を拡充することを神聖化・優先化する名目に女子供を持ち出すことは危険です。
神聖化・優先化が始まったら「空気」が醸成され急速に抗うことが困難になることは、
昭和初期の日本の歴史が教えています。自衛隊を憲法に書き込むよりも、
男も含めた国民全員が誰も血を流さないことを目指すのが政治家の役目でしょう。
昭和56年のソ連によるアフガン侵攻の頃に野坂昭如がカッパブックスから出した
国家非武装されど我、愛するもののために戦わん。という書が手許にあります。
とても考えさせられる書名ですが、自身の戦争経験と冷静な分析によって、軍備で
たとえ領土は守れても国民の生命財産は守れないと断言したうえで、もしこの国が
戦争をする方向に進もうとするなら命を懸けてでも反対する決意を述べています。
また、食糧自給の必要や文化経済の国際交流の強化についても述べるなど
この国の防衛問題・憲法論議に不可欠の視点もあり、再版が望まれる一冊です。



VOL.790 * 2022/06/09


「涙はいらない」 石嶺聡子

4月初めに石嶺さんを取り上げてからCDプレーヤーに入ったままの彼女の
”passion”というアルバムがやたらと聴きたくなって再生ボタンを押します。
アイドル歌手の名曲みたいに視覚とアレンジで楽しませるジャンルではなく、
声質と性格の良さを感じさせる好感度で聴きたくさせてくれるのです。以前
当コラムで取り上げたシーカーズのジュディスさんや、メリー・ホプキン、カレン・
カーペンターなどの系譜、日本でいえばいきものがかりの吉岡さんなどとも
通じる気持ちの良い声です。多重録音の独りコーラスの多用も魅力を引き立て
ています。表題曲はNHK新銀河ドラマの主題歌として記憶の方もいるでしょう。
NHKにお願いできるとしたら、朝ドラ「ちむどんどん」で歌子を歌手に導く役どころ
にでも石嶺さんを抜擢して欲しいなどと夢想したりもします。youtubeでは
彼女が歌番組で披露した「芭蕉布」も聴けますが素敵です。



VOL.789 * 2022/05/15


「普天間からの想像」

私が高校2年の時に沖縄が本土復帰して今日で50年たちました。想像力の翼を沖縄に
飛ばしてみました。「辺野古を埋め立てての新基地建設が不可能と判明して、日本政府は
代替基地の確保に関して九州沖縄全県に候補地を出させたうえで、県民投票で一番
反対の少ない県の候補地に、巨額の交付金支給とセットで普天間の移設先の基地を建設
することになったと」
。思い浮かべた映像は、熊本市の海沿いの広く平坦な一帯、西区の
沖新町あたりです。そこに米軍基地ができて、風向きによっては市街地上空を輸送機や
オスプレイが頻繁に飛び交う日常生活。今でも旅客機は市街地上空を飛びますが、
高度が高いし低騒音の機体です。たまに健軍の自衛隊で記念行事のときに戦闘機や
対潜哨戒機が編隊飛行しますが、明らかに軍用機特有の轟音・爆音を体感します。
私は県民投票で基地受け入れに賛成できるのか、NOT IN MY BACKYARD の意識で
密かに反対票を投じるのかどちらでしょうか。在日米軍の存在意義や、軍事紛争が
起きた時に基地のある町がどんな危険にさらされるか我がこととして考えてみます。



VOL.788 * 2022/04/02


「エイジャンドリーム」 石嶺聡子

今年は庭の各所にあるツツジの花が様々な色で贅沢すぎるほどに咲き乱れて
見知らぬ通行人にも何度か誉めていただきました。今日の天気は小雨ですが、
濡れて輝く緑と対照の花々を窓から愛でながら、温めた日本酒で一人花見を
楽しんでいます。新しく始まった朝ドラマにちなんでBGMには沖縄の女性歌手を
選びました。石嶺聡子さんは喜納昌吉作の「花」を映画「ひめゆりの塔」で歌って
有名になりましたが、私はその映画を出張に行く鹿児島行き高速バスの中で
見た記憶があります。1996年ごろでしょうか、調べてみたら当時と現在とで意外な
共通点がありました。1995年に83円をつけたドル/円が急速に円安の坂道を
転げ落ちていたのです。年末には120円を突破して、1998年にはなんと144円
まで行ったのですね。今度の円安の底値はまさかそこまでは行かないと信じます。
表題曲はアジア音楽祭グランプリを取った隠れた名曲です。
♪Asian Dream 平和のときめきを 私たち一つの海でつながる …愛で時代をつなぐ

小アジアと呼ばれる場所で起きている火花散らす闘いの終息を祈ります。



VOL.787 * 2022/04/02


「ウクライナからの想像」

政府はウクライナの戦争避難民を救済するため外相をポーランドに派遣し、
帰路の政府専用機に日本へ避難を望むウクライナ人を乗せて帰ってくるそうです。
今までの難民受け入れに関する対応と較べて格段に素早く寛大な点が謎ですが、
やると決めた以上は本腰で受け入れ態勢を整えたいものです。新型コロナ感染症
は再流行のきざしがあり、ウクライナは「薬剤耐性結核DR-TB」の蔓延国の一つでも
あるそうです。手厚い医療支援体制を敷くべきでしょう。経済安全保障も重要ですが、
世界中の人たちと仲良くする人的友好安全保障を地道に築き上げることが大切です。
想像力を働かせてみましょう。朝鮮半島で戦争が起こって大量の避難民が来日を
希望する場合のことを。逆に日本で火山の破滅的噴火や原発の大事故で韓国や
極東ロシアに避難しなければならない事態が起こった時のことを。



VOL.786 * 2022/03/22


「がん 劇的寛解」 和田洋巳

今月10日発行された角川新書の表題書は、京都の「からすま和田クリニック」の
院長先生の著書ですが早速読み終えました。特に前半部分の、がんの正体や
発生・転移のしくみについての説明がとても腑に落ちて、積年の疑問が晴れた気分
なのでご紹介する次第です。主なポイントは「がんは高栄養低酸素状態で発生
しやすい。低酸素は生活習慣病関連の血管の通りの悪さに起因。」「がん自体は
毒素を出さず、がんで死ぬのは増えたがんが物理的に臓器の働きを邪魔する
ことによる。」「がん予防のためには血管の健康維持とともに、体内環境を
がんが育ちやすい酸性方向ではなくアルカリ性のほうに向かわせる栄養摂取が
たいせつ。」などです。がんを早く見つけて手術で取り去ることにこだわる旧来の
医学の常識に疑問を感じていたのですが、一つの答えをもらった気がします。



VOL.785 * 2022/03/05


「 教 訓 T 」 加川良

ウクライナでのロシア軍進攻について、昨日は原発への砲撃が始まったとの
報道で世界各国のトップニュースが埋まったのを見て、私も心がざわつきました。
地理的にも現代史的にも複雑な背景のある場所の出来事だけに、軽はずみに
判断できかねるというのが正直な気持ちです。ロシア軍の若い兵士の独白にも
注目が集まっていますが、気になるのは国外へ逃げるウクライナ人のうち成年男子
は戦って国を守るよう出国を禁止されているという話です。自身については老齢に
より見逃されるかもしれませんが、もし若くしてその立場に立たされたらと考えると
辛いですね。何を判断基準にすべきかと思いついたのが50年前の表題曲です。
答えは「人を殺すことを強制されるぐらいなら、殺されることを覚悟で逃げる」です。
「♪死んで神様と言われるよりも生きてバカだと言われましょうよね」
議会の決議から、熊本城のライトアップまでウクライナと連帯一色になるなかで
武器や暴力ときっぱり一線を画す姿勢はとても大事になります。




VOL.784 * 2022/02/26


「オールザウェイ」 フランク・シナトラ

ボケ防止と指の運動を兼ねて暇を見つけてはスタンダードソングのメロディを
ギターでつま弾くことをよくやります。若いころはギターはコード弾きにして歌を
歌うのも好きでしたが、年のせいで英語の歌詞が見づらい上に咳き込んだりも
し易いので最近はもっぱらメロディ弾きです。表題曲は三つの変ホ長調ですが
サビのドドーシド/レドシラのところで最初のシにナチュラルがついて後のシに
の臨時記号が私の楽譜ではついています。臨時記号は小節が変われば無効
になるのが決めごとなので後のは不要なところを親切で念を押してくれたので
その音は間違う確率がぐっと減ります。しかしそのせいで調性の感覚が微妙に
狂わされてすべきラの音をし忘れたりするのです。何かに似ていると
思いついたのが新型コロナワクチンの追加接種です。打った直後は感染の
確率がぐっと減っても、生来の免疫系が微妙に狂わされて、しばらくしたら
逆に免疫力が落ちる可能性が指摘されています。手元のメモ帳に情報元が
「去年12/3付のNYタイムスがEUの医薬品規制当局の警告と報じた」とあります。





VOL.783 * 2022/02/14



「スーパーボウル ノーマスク」

今年のスーパーボウルは例年より少し遅く日本時間のバレンタインデー開催になりました。
冬季オリンピックの真っ最中ということもあり、NHK-BSの中継もなく日本での関心は低く
とも、現地では7万からの観衆が会場をぎっしり埋め尽くしたようです。試合は第4Q.の
終了近くに地元LAラムズが逆転TDでシンシナティ・ベンガルズを破る接戦の好試合
でした。契約しているケーブルTVのお陰で生中継を見られたのですが、何よりも驚いた
のは両チームのスタッフはもちろん、TVに映し出される大観衆の誰一人としてマスクを
している姿が見つけられなかったことです。普通に歓声やクラウドノイズが聞こえたので
大声禁止とかでもないみたいです。天皇家や首相をはじめほぼマスク着用して、
TV出演者の傍らにはアクリル板がお決まりになっている日本社会とのあまりの違いに
唖然とさせられました。どっちがいいとか軽はずみに評価できませんが、物事を
判断するときは世界の様子を見たうえで考えなければなりませんね。カナダでは
ワクチン義務化に反対のトラック運転手が物流をマヒさせたり、バイデン政権は
ウクライナの危機を煽る方向の言動が多かったり海外サイトや海外TVニュースに
目が離せない毎日です。それと複雑な思いをさせられたのは、ハーフタイムショーに
出たグラミー賞14冠の豪華メンバーの誰一人名前を知らなかったことです。



VOL.782 * 2022/02/10


「比叡おろし」 小林啓子

NHK朝ドラマの「カムカムエヴリバディ」は、ここしばらく1970年代中ごろの京都市が
舞台だったので、私の学生時代の記憶と重なって小ネタも見逃すまいとしっかり
見ておりました。ただこのドラマの難点はしばしば登場人物が「ワープ」してしまう
ことで、大阪編でも道頓堀に居た主人公があっという間に大和川とおぼしき河原に
現れたり、淡路島の海岸に行ってしまうのは、なんだかなあと思わせられました。
思えばドラマの前半部分から、岡山と大阪の距離が異常に近かったり不可解さは
目をつぶるのがお約束なのでしょうか。主人公の家は北区のはずなのに、嵐電で
映画村に行くときに四条大宮からの本線に乗っているのもちょっとしらけます。
でも帷子ノ辻(かたびらのつじ)なんて駅名を久しぶりに見られたので嬉し懐かしい。
表題曲は京都の冬の歌を思い出そうとして浮かびました。今は千夜 千冊で有名な
松岡正剛さんが若いころに作詞作曲した曲を「ヤング101」在籍中の小林啓子が
1970年に歌ったものです。彼女は小林信彦の従妹だったと知りました、オヨヨ。。



VOL.781 * 2022/01/10


「CO2よりも化学物質」

成人の日の朝、いかがお過ごしでしょうか。私はといえば起きぬけに目にしたTV番組で
生じた心のざわめきの中に未だ居ます。午前6時過ぎまでの再放送だったのですが
途中から偶然視聴した内容のあちこちに思い当たる心配が含まれており、ぜひとも
今度は地上波で多くの人に見てほしい番組だと思いました。その番組とは、題名が
”それでもプラスチックは必要ですか?「人体むしばむプラスチック」”というもので
BS1スペシャルのシリーズで昨秋初出されたものでした。プラスチックの語に代表
される人為的に合成された化学物質、とりわけ「環境ホルモン」の形で人や生物に
影響を及ぼすものへの注目や警戒を促すドキュメンタリーでした。日本を含む
世界中で増えている諸傾向すなわち、不妊に悩む人・結婚に意欲のわかない
若者・LGBT・発達障害さらには番組で直接言及は無かったものの短絡的な
自傷自殺・無慈悲な殺人などの原因や遠因に化学物質が疑われるのです。
このことについては、地球温暖化の問題と同様に諸説あって、利害もからんだり
複雑な議論をよびそうですが、私の今の気持ちとしては、CO2よりも化学物質の
削減管理のほうが重要かつ容易に行えることではないかと、グレタさんにも
呼びかけたいのです。コロナウイルス感染症を恐れる気持ちから、幼い子供
の周辺に過剰な除菌用商品を使うことも、その子の将来に及ぶ危険を
考えて思いとどまり、子の親が真剣にこの問題を学ぶべきだと切に思います。



VOL.780 * 2022/01/04


「年頭にあたって」

2022年の年が明けました。年号に2が三つ入る西暦222年を調べたら、日本は邪馬台国の
卑弥呼の時代ですね。そして1222年はというと近日はじまるNHKの大河ドラマの中心
北条義時が鎌倉幕府の実権を握った頃なのですね。さて今年は歴史の流れの中で
どんな節目の年になりますやら。世の中の平和を願うと同時に、政治の節目を変えて
欲しいと願うのは、沖縄辺野古の基地建設とリニア新幹線建設を断念して欲しい事です。
ついでに2025年大阪万博も止めてはどうでしょう。現在ドバイで万博が開かれている事を
どれほどの人が意識しているでしょうか。世界の街角の様子も、宇宙時代の新技術も
いつでもどこでも手元に呼び出せて、VR機器を付ければ疑似体験まで出来る時代に
わざわざ万博に出かけたいと考える人がどのくらい居るのでしょうか。お金をかける
べきなのは今この国にいる貧困な境遇の子どもに対する支援でしょうが!。今日の
朝日新聞朝刊で知ったのですがLearning For All の活動を応援したいと思います。
 

 


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