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OYAJI NO UTA

by 安藤弘志

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オヤジのうた曲名リスト



VOL.620 * 2011/12/31


「原発の止まった年越し」

激動の2011年の大晦日は、晴れ渡っておだやかな一日で暮れようとしています。
そして九州では嬉しいことにすべての原発が停止した状態で新年を迎えます。
もっとも原発は停止していても天災やテロで惨事へ急変する可能性はあるんですね。
九州電力からは九州交響楽団への支援など文化面での恩恵を受けています。願わくは
原発をあきらめる方向へ転換して、九州の誇りとして応援できる企業に変わってほしいと
顧客の一人として切望するものです。それにしても、野田総理には完全にあいそが
尽きました。選挙で約束したことがお金が足りなくて不充分なことは、まだ許せますが、
税収の足りないこの時代に、やらないと約束したダム建設を再開する厚顔無恥が許せません。
あと騙されてはならないことは、自ら身を削ると称して議員の数を減らすことです。
議員の数は、今のところ国民の意思を正確に反映するための国民の権利です。
身を削るなら現在の議員の貰っている歳費・経費の削減です、ゴッチャにしないで欲しい。
ビラとか葉書とか選挙事務所とか一切やめていいから減らしてください。
選挙民への宣伝は、前回も触れましたが個々の政策への明確な意思表明でして下さい。
本当に応援したい議員にはネットや携帯で気軽にカンパ出来るしくみへ変えていきましょう!


 

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VOL.619 * 2011/12/10


「一人ぼっちの二人」 坂本九

今朝の朝日新聞の政治欄の下のほうに、ベトナムなどへの原発輸出のための
原子力協定の採決に、党の拘束に造反して賛成しなかった民主党の参議院議員の
名前が載っていました。(6日の衆議院でも同様に造反があったのですが、こちらは
小沢・仙谷氏ら二十数人とあいまいな記事でした。)役職の更迭など自らの不利を省みず
良心を貫いた形のこれらの議員には、ささやかながら拍手をおくりたいのです。
岡崎トミ子、増子輝彦、有田芳生、石橋通宏、大河原雅子、金子恵美、
今野東、佐藤公治、田代郁、谷岡郁子、ツルネン・マルティ、徳永エリ(敬称略)

民主主義がより正しく機能するためには、日ごろから投票対象者の行動を、
主権者が把握しやすいように情報が整備されている必要があると考えます。
それなのに、肝心のことがネットで検索しても出てこないもことがしばしば。
採決の記録だけでなく、超党派議連への参加状況、さらに最高裁判事に関しては、
次回国民審査対象者の判決関与の記録、これらが見たいときにすぐに
検索できるようになるのが理想です。あと、税金をきちんと払っている企業なんてのも
一覧で公表してみんなで褒めてあげたいものです。ところで表題曲は坂本九の
誕生日にちなんで、FMのラジオマンジャックで流れたのがあまりに懐かしかったもので
取り上げさせていただきました。民主党の12人の皆様も一人ぼっちじゃないですからね。


 



VOL.618 * 2011/11/26


「芝浜のリアリティ」

立川談志の追悼番組で芝浜に関するくだりが取り上げられていました。晩年の歳末公演で
客の大半が期待していた芝浜をやらなかった時の様子が詳細に記録されていました。
実は私も以前からこの噺を聴くたびに引っかかっていた点があります。勝五郎が財布を
拾って家へ戻り、大金を得た祝いに朝から酒を呑んで、じきに呑みつぶれてしまう。
そして…、場面は翌日の朝おかみさんに起こされ、財布の件は夢だと諭される所に飛びます。
普通に勘定すると大のおとなが19時間ほども寝続けたことになるし、途中で起きたとすれば
友達を呼んで本格的な酒宴になるのが自然ですが、そうなればなったで後日友達と話せば
かみさんの嘘がばれてしまいます。さらに厳密にこだわってみれば、仕事を放り出して
放蕩の日々を長く過ごした男が簡単に、勤勉で善良な生活に変わってしまう不自然さ。
これは同じ人情噺「文七元結」「子別れ」などと共通で、うまく演じさえすれば客は
「そうか、よかった」と感動する場面ですが談志さんも違和感を語ったことがあります。
『…しかし家元のいう落語は違う。不人情の肯定であり、非常識が人間本来だとするから、
これらの人情噺にはどうもなじめない。』(中公文庫「新釈落語咄」)さらに対談では、
『寄席は元来(客が)夢を見に来た。それに答える芸をやっていたのに、圓朝自身は
己で捨てた。そのことが人間を追求する知性といういい芸だと思ってた。』(文春文庫
「談志楽屋噺」色川武大との対談)この対談では、大阪の落語は金持ちが見に来たので
荒唐無稽な笑い話がうけて、東京では貧乏人が圓朝の知性的な人情噺を愛したとも
語っています。全国的に貧乏人の多い平成の世で、勤勉で善良な庶民が出世する
人情噺が表層的にひろがることよりも、バブル期に爆笑で刹那の夢に浸らせてくれた
桂枝雀スタイルの落語が勝ってくれることを私個人としても密かに期待しますが。


 



VOL.617 * 2011/11/21


「九州のホークスたい」

今日の昼間は昨夜飲みすぎた酒っ気が残っておりましたが、ようやく日も暮れになって
抜けてきて、晩飯を前に冷やでちょびっとやることを考えていたりしています。
それにしてもソフトバンク・ホークス日本一おめでとうございます。王さんが監督を辞めて
次の監督が秋山ときいたとき、正直言ってダイジョーブカ?という気がしたのですが。
ゆうべ最終回のピッチャー交代で馬原でなく摂津をつげるのをきいて、ナカナカナモンダ
という感想に変わっていました。日本一どころか、プレーオフにコケて日本シリーズに
出られないくやしさを積み重ねていたあとだけに選手もファンも感無量のことと思います。
とにかく、沢山のくやしさの積み重ねがあるほど日本一の感激は光るものですね。
ところで感動の総量がもっとも多かった優勝といえば1985年の阪神タイガースを思い出します。
律儀なファンの数多さと、21年という待たされた時間の長さがあの感動を生みました。
昨夜はひょっとしたら博多中洲の脇を流れる那珂川に飛び込むヤツが出ないかと
ちょっと心配しましたが、道頓堀に較べて水深がかなり浅いのと、阪神日本一決定が11月2日
に対して二十日も遅い寒波の中だけに、さすがにそれは無かったようで、一安心です。


 



VOL.616 * 2011/10/23


「菊の金細工」

ゴール前に菊花の飾られた京都競馬場のターフを栗毛の金細工師が駆け抜けました。
かつてのスターホース「テンポイント」を髣髴させる流星を鼻先にまとった美しい牡馬は、
その名もオルフェーヴルという詩的な響き。寺山修司志摩直人といった競馬場の詩人が
もし健在なら、この馬をどう歌い上げたか興味のあるところです。調教師の池江泰寿さんは、
ディープインパクトの池江泰郎さんの息子、騎手の池添謙一は、きまぐれジョージこと
「エリモジョージ」に騎乗していた池添兼雄さんの息子。そして当のオルフェーヴルは、
「ドリームジャーニー」の弟、「メジロマックイーン」の孫にあたります。久しぶりの
三冠馬の誕生をTVで観戦したいま、血筋のスポーツの面白さをかみしめています。
♪居並ぶ名馬をゴボウ抜き ついでに騎手まで振り落とす… 40年前の歌も思い出します。
 


 



VOL.615 * 2011/10/11


「戦闘機は要らない」

小松基地の自衛隊F−15戦闘機が訓練中に増槽(ぞうそう)タンクを破裂させて破片を
広範囲にばらまいた事故の原因は未だ明らかになっていません。増槽タンクは間違って
切り離す操作をしたら、そのまま落下するはずで、なぜ破裂したかはミステリーですね。
別のニュースでは次期戦闘機の選定でボーイング、ロッキードなどの売込みがこれから、
攻勢を強めそうだとの話も。自国の財政難で売上を減らすであろう米国軍需産業が
色んなコネをつかって政官工作してくる危険性が大です。震災復興優先の言い訳を
効果的に使って対米追従派の圧力をドジョウの如くすり抜けて欲しいと期待いたします。
そもそも「戦闘機」の名称からして憲法と相容れないものですが、日本がその手の航空機を
保有する意味があるとしたら、テロリストなどの不審船・不審機への対応でしょうか。
緊急発進して現場へ急行する機動力と、相手の正体を探索する情報収集力を
優先させた独自の機体開発を目指したほうが国内技術育成にもプラスでしょう。
戦闘能力よりも逃げ足優先、レーダーに映らないことより目立って威嚇効果の
ある方が良いかもしれません。大地震発生時に津波観測にすっ飛んで行き、
危ないときは空から発煙や花火で大津波警報を知らせる、そんな機能も欲しいです。


 



VOL.614 * 2011/09/24


「オオシロカラカサタケ」

庭の片隅に見たことのない白い大きなキノコが、いつのまにか生えていました。
直径10センチに達しようかという傘は肉厚で、鍋物に入れてみたい誘惑にかられます。
でも・・調べてみたら毒キノコでした。標記の名を持つこのキノコは南方系とのことです。
最近になって日本のあちこちで見られるようになったとのこと。原発事故の放射能とは、
とりあえず無関係のようで一安心です。ところで、ガッカリしたのは野田総理の国連演説。
「フクシマ」の事故をふまえて日本の総理が世界へ発するメッセージは二通り選べました。
ひとつは地球の海と空を汚してしまったことを詫びて、原発のない世界を目指すことに、
先頭をきって貢献することを誓うこと。逆のひとつは、原子力の未来に傷をつけたことを
詫び、原子力産業の汚名挽回に役立つ貢献を約束すること。
前者は世界の多くの市民・生活者の望むことであり、後者は世界の一部の産業界・政治家
の期待する発言ですね。退陣の決まっていた菅総理は前者の立場に立てましたが、
野田さんに対しては後者の発言をするよう、ものすごい圧力の掛ったことも想像できます。
「信念の人」というよりも「調整型」のような新総理。それならば市民サイドとしても、
様々な立場から、投書・ネット・デモなど様々な手段で逆の圧力をかけるしかないでしょう。

 




VOL.613 * 2011/09/11


「九 一 一」

十年の歳月をしみじみと実感している2011年の9月11日です。あのことがあった翌年に
会社がつぶれてサラリーマン暮らしにサヨナラしたこともあり、感慨深い十年です。
日本では「きゅーいちいち」と呼ばれますが、親が判断ミスして、余計な札を引いたために
クッピンの総取りをふいにしてインケツに嵌る…オイチョカブを連想したら不謹慎か。
でも最も罪深い判断ミスは、ブッシュが9.11の犯罪行為を犯罪として扱わず、強いて
戦争扱いにしたためにアフガンとイラクに出向いて4兆ドルの金を費やして6千人からの
自国の兵士を死なせ、その十何倍かの他国民の生命をも損なったことですよね。
NYタイムズにチョムスキー教授も書いていますが、「人道に対する罪」と明確に呼ばれた
あの攻撃を犯罪として扱い、容疑者を逮捕するために国際的な行動をとる選択肢も
あったのです。おそらくブッシュの背景にある、軍と軍需産業の意向、そして自らの
ミリタリー愛好の考え方が判断を誤らせたのでしょう。そして十年たった今でも、
もめごとを軍事の方向へとねじ曲げたい輩が、ソマリアの海賊を犯罪として扱わせず、
軍隊でどうにかしようとイタチゴッコしながら「戦費?」を使い続けている気もします。




VOL.612 * 2011/09/03


「九月になれば」 ビリー・ヴォーン楽団

中国四国地方を直撃した台風の影響は、遠く離れた熊本でも怪しい雲と強い風、
それとオールスター競輪準決勝の場外発売が延期になるなど・・ありました。
このまま残暑が戻らずに、ゆっくりと秋になれば、などと虫のよいことを願ってます。
きのう野田新内閣が発足しましたが、良くも悪くも地味な評判が多いような。
政治に余り大きな期待をしない習性が身についた日本人ですが、平和で美しい国で
あってほしい希望だけは持ち続けたいものです。それと自民党から民主党へと
受け継がれている対米関係最重視の姿勢は、アメリカの軍事的経済的覇権が
ゆっくりと沈みつつある今、政官こぞって見直すべき必要、皆わかってますよね?
ところで、ポピュラー音楽に関しては、英米重視、一向に構いません。
表題曲はもちろん、ビリー・ヴォーンの名前も余り聞かない今日この頃ですが、
十代の頃に聞いたスマッシュヒットは今でも何かの拍子に耳によみがえります。




VOL.611 * 2011/08/09


「朝陽のスキャット」 ザ・カルア

立秋を過ぎた夏は、過酷な照射こそ弱まった気はしますが、遠くの台風が運んだ
湿っぽい空気がずっしりと倦怠を撒き散らしている、ここ数日の熊本地方です。
今年の夏は小松左京氏に続いてマエタケさんまで逝ってしまい1970年代が、
いちだんと遠くなってしまいました。雑誌「ボーイズライフ」のSFバカ話放談で、
小松氏の放縦な発想に触れ、前田武彦の軽妙なおしゃべりは、主にラジオ番組で
親しんだ中学生時代を思い出しています。表題曲はニッポン放送夜10時からの
帯番組「ヤングヤングヤング」と東芝レコードのタイアップ企画の入選曲だったと
記憶しています。マエタケさんの相手役は榊原ルミさんから小橋玲子さんに
代った頃でしょうか。ザ・カルアは慶応大学軽音サークルで継承のグループ名。
1971年のこの作品は番匠谷(ばんしょうや)隆と啓二の両名が作詞作曲を担当。
当時の国産車かガソリンのCMにも使えそうな軽快でおしゃれなポップス曲です。




VOL.610 * 2011/07/18


「しあわせの朝」 クリフ・リチャード

夏休みに入ったばかりの日本の少年少女たちは、どんな割合で今朝起きていたのでしょうか。
フランクフルトからの生中継の女子W杯決勝戦はまだ真っ暗な午前四時前に始まりました。
ヨーロッパとの時差の体感といえば、ビートルズのAll you need is loveレコーディングが
世界宇宙中継特別番組で日本でも放映された1967年6月の眠い朝を思い起こさせます。
あの頃小学生だったオジサンは、今日は年寄りの早起きで自然に目覚めてTVをつけたら、
ちょうど後半のキックオフ直後でした。3-0ぐらいで負けてたらもう一度寝ようかと思いつつ
スコアをみれば0-0で目が離せず、延長戦からPKの決着まで付き合って今も起きてます。
自発的に結束している集団が生み出す爽やかな強さを感じさせた戦いぶりでした。
男子の代表戦で目に余る熱狂的サポーターの目障りな応援もなかったようで、
近づく台風の風とともに窓から夜明けが訪れ、表題曲のような明るい気分の朝でした。
♪ I feel that life is very good to me, you know  カイホリさん、ナイスセーブ!





VOL.609 * 2011/07/09


「原子心母」 ピンクフロイド

2008年以来となる七夕早々の梅雨明けです。原発はやめましょうの側に連帯する身としては、
我慢と健康と工夫のあいだを行き来しながらの覚悟の夏到来なのです。
こんな時に聴くべき音楽、オジサン世代は持っています。青空の下、一頭のホルスタインの
牝牛が牧草の上でこちらを振り返っているレコードジャケットは余りにも有名です。
1970年に出たこの作品は、ビートルズに代って英国が贈るプログレッシブロックとして、
日本の中学生にまで衝撃を与えたものです。今聴いてもそれなりの感銘と心地よさを
充分感じ取ることが出来ます。当時は学校はもちろん家にもクーラーは無く、
それどころかバスにも電車にも冷房の無い時代でした。開け放った車窓の風と
天井で回る扇風機だけが頼りの夏だったのですが、私ら若いモンは平気でした(多分)。
そして、その頃の年寄りも強かったんでしょうか、それとも耐えられる人だけが生きのびたのか、
そんな時代が1970年。EXPO'70に象徴される希望だけは今よりも沢山在ったことは確かです。




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