コラム


 

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OYAJI NO UTA

by 安藤弘志

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オヤジのうた曲名リスト



VOL.659 * 2013/12/08
 


「TOP SECRET」 三原順子

特定秘密保護法の参議院採決が金曜日の夜更けで、今朝の朝日新聞朝刊には、
法律の全文とともに参議院での議員全員の投票内容が掲載されています。
立法府の議員を投票で選ぶこと以外に政治参加の主たる手段を持たない主権者としては、
次回選挙の投票時に誰が歴史的悪法に賛成したか否かを覚えておく義務があります。
衆議院議員については、起立採決のため記録が残らないのだそうですがこれも変です。
ところで自民党の賛成投票者の名簿の中に三原じゅん子の名前を見つけて彼女が
三原順子の名前で1981年に出したアルバムタイトル曲が頭に浮かびました。
久しぶりに聴きなおして見ると歌詞の内容は、男性歌手への思慕というスキャンダルに対して
♪許されないのね 今の私には 素直に話すことさえも…
作詞の山田麗子さんが当時何か念頭に置いて書き上げたシチュエーションなのかは不明です。
それにしても三原さんの迫力あるアルトの発声はアイドル歌謡の中で出色、イイですね。
同じ参議院自民党の森雅子さんも歌手じゃないけど、高市や片山などと違って
品の悪さが無いのでイイのですが。女性活用の美名のもと悪法の担当大臣という汚れ役を
押し付けるなんて、つくづく安倍晋三首相は男としてもサイテーだなと密かに思ってます。

 


役に立つ買物情報も毎日更新していますのでどうぞ


VOL.658 * 2013/11/08
 


「テレビの偽装」

大阪の電鉄系ホテルの飲食店メニューの表示と内容の差異の問題に端を発して、
いろんな処で食材の種類や産地を偽装したとか、いや習慣上その呼称で通っているとか、
営業と担当者の連絡ミスとか、言い訳やお詫びが連日またかと思うほど報道されています。
さらに楽天球団日本一セールでは、通販取次ぎ業者が無許可で法外な二重価格表示を
行ったことで、偽装値引きが問題になっています。やがて清水寺から今年の漢字は
また「偽」でしたとニュースが伝わるのでしょうか。TVショッピングで十年一日の如く、
今だけ特別にもう一台お付けして、とか青汁に枕をオマケとか有り難そうに自慢するのも
偽装くさいのですが。昔から売りたがる側の表現には偽と紙一重の「大袈裟」があるものと
疑ってかかるのが常識でしょう。ところでニュース番組でセンセーショナルな話題につき物な
「街角の声」としてインタビューされる人物が特定のいつもの人じゃないのかという疑惑が
「テレビによく登場する謎の人々」というタイトルでまとめサイトに紹介されていました。
「オタク系」の若い男性の代表になっている太った人や、社会的に注目の裁判は必ず
傍聴しているおばさん、就活中の女性と通勤する人と二通りの表示で登場する女性。
極めつけは、火災現場近くの住人がなぜか大臣のぶらさがりの政治記者そっくりだったり。
TV放送の録画機器の進歩があるとはいえ、よくぞ気がついたと拍手を贈りたくなります。
バラエティ番組のヤラセどころじゃない、ニュースの意図的演出として問題にすべきです。
送り手が多数意見を装って世論の代表ヅラをさせるこの種のインタビューが無くなるまでは、
「匿名さん」が、いつのどの局の番組でどんな意見を言ったか監視する行為は重要です。
また、タダで見られるTVは、フリーペーパーと同等のメディアだと認識せねばなりません。

 



VOL.657 * 2013/11/04
 


「ヘッドライト・テールライト」 中島みゆき

東北楽天ゴールデンイーグルスは昨夜、第7戦までもつれた対ジャイアンツの日本シリーズに
勝利して日本プロ野球の頂点に初めて登りつめました。本当は前日に負けないエースを立てて
決着をつける予定が狂い、勝ったほうが日本一の決戦だったのです。そして1994年の対中日
さらに2008年の対阪神「10.8決戦」の記憶が甦りますが、巨人というチームはこんな決戦に
やたらと強かったのです。昨晩も、もし先取点を取られていたらずるずると巨人のペースに
からめ取られた可能性もありました。その意味で楽天の先発、美馬学投手の踏ん張りが
とても意味があったし、MVPに選ばれたことも頷けます。星野監督の強気の投手起用も、
さすが短期決戦の経験、そして負ける悔しさを誰よりも知っているからこそのもので、
野手を鼓舞する効果を感じました。さらに脚光はあまり浴びませんが選手を育てた
佐藤義則投手コーチと田代富雄打撃コーチの存在が、それぞれ阪急と大洋という
今は無い球団で活躍していた現役時代を知る身としては、嬉しいことです。
また、何よりも熱烈に応援した地元ファンの応援の圧力が土壇場に強い巨人を
推し戻したのも確かです。ある意味、東北対東京の因縁の対決だった面もあります。
表題曲は、昨夜のTV中継の流れで見たNHK-BSの「オール中島みゆきナイト」で
プロジェクトX最終回出演時の演奏が流されていました。田中投手に捧げたいと思います。
日本野球のテールライトを見送った後には、MLBのヘッドライトが輝いているのでしょう。
♪足跡は降る雨と降る時の中に消えても…   旅はー まだ 終わらないー 
 

 



VOL.656 * 2013/10/19
 


「電網野次も洗練を」

土曜日の午後は3時まではNHK第一ラジオ放送を掛けながらパソコン作業をするのですが、
今日はいつもの大阪発土曜ほっとタイムは2時で終了、仙台からのパリーグファイナル戦の
中継が流れています。たまたまPCニュースサイトから目に留めたのは以下の話題。
一昨日、野球観戦中の東北大教員がTwitterで発した相手チームやその地元を貶める内容の
つぶやきが拡散して炎上。大学にも苦情が殺到しHPにお詫びコメントがのる騒ぎとなった。

察するところ、当の教員は球場で飛び交っていたヤジ声援の真似をしたかったけれど、
そこらのオッサン並の大声を出す勇気が足りずに、電子ツールに頼って拡声したのでしょう。
野球場のヤジは夜空へ雲散霧消しますが、電網界には非寛容のクレーマーが待っています。
スポーツのビッグゲームは祝祭空間に似て、気分も高揚し、大声を出すのも愉しいものです。
ただし、誰かが傷つく物言いは野暮。機知ある内容を発するべく努力工夫が必要です。

日本人ほど、お互い愉しく生きていく秘訣を心得ている国民は他にちょっと見当たらない。
ラフカディオ・ハーンの言葉だそうです。(ハルキ文庫「Aphorism 癒しの言葉」より)
未熟者の場違い発言に釣られず、スルーしたり話を戻す良識あるスレッドも確かにあります。

ところで猛烈な台風がまたしても関東東北をかすめそうな進路になっています。
彼の地の皆様はポンコツ原発と風向きの関係に気をつけて雨に濡れませんようご注意を!
日本シリーズがKスタ宮城で無事に開催できますよう祈っております。

 



VOL.655 * 2013/09/20
 


「月の裏側」 デビット・マッカラム

DAVID McCALLUM さんの日本語表記、今はデイビッドやデヴィッドが多く使われますが、
1960年代は表題の通りでした。初めて出会ったのは父に連れられて大阪で見たシネラマ
「偉大な生涯の物語」のユダ・イスカリオテ。「大脱走」「海底世界一周」も覚えています。
でも日本いや世界でもこの人でまず頭に浮かぶのは「ナポレオン・ソロ」でのイリヤですね。
そしてマッカラム氏は音楽家の生まれでその道を目指したこともあり、演奏や歌をいくつか
吹き込んで少し売れたこともありました。アルバムタイトルは「音楽は私の一部」そして、
Open Channel D」なんとも懐かしい響きですね。昨日はNHK-FMミュージックプラザの
矢口清治さんの番組の最後で四十数年ぶりに「月の裏側」が聴けました。中秋の名月に
ちなんで粋なリクエストを送ってくれたおそらく同年代のリスナーに感謝しています。
原題が "The Far Side of the Moon"、当時はたぶんデビット・マッカラム・オーケストラの
演奏と紹介されていたような記憶があります。今でもCS放送の「ネイビー犯罪捜査班」で
時々目にするマッカラム氏はなんと昨日が80歳の誕生日だったとのことで、驚きです。

 

デビット・マッカラムEP盤「コミュニケイション」東芝/Capitol CR-1493




VOL.654 * 2013/08/29


「夏の終わりのラジオ三昧」

しばらく記憶に残りそうな過酷な夏が過ぎ去ろうとする今日、熊本には危ないコースで
台風が接近中です。ただ、上陸予想二日前の現在の最新情報では996hpaと思ったほど発達
せず、中国東南海の海水温はさほどの高温にはなってないのでしょうか。
8月最終週のNHK-FMラジオは特別編成で、午後は毎日前半がホロヴィッツのピアノ、
後半が日本のハードバップ中心のジャズライブ。外出や汗をかく仕事はなるべく午前中に
済ませて、午後は弱冷房の部屋でラジオ三昧出来るわが身の境遇に感謝しています。
ところで気になるのはシリア政府軍が化学兵器を使ったとの理由で、オバマが米軍に
空爆の準備をさせていること。国連の調査結果を待たない姿勢は、イラク戦争当時の
ブッシュと重なります。アメリカの政治の深いところで戦争の方向へと圧力をかける
暗い勢力の存在を感じます。イギリスやフランスでは議会が紛争地への軍事介入に慎重に
なっているようですが、いちはやくイラク戦争を支持した小泉さんと同様に、
アメリカの戦争につきあいたがっている安倍さんの解釈改憲の動きが悩みの種です。




VOL.653 * 2013/07/28


「モリタート」 ソニー・ロリンズ4

毎年7月の下旬に開催されるストリート・アートプレックスのジャズオープンが昨日、
蒸し暑い天気ながらも熊本市中心市街地一帯で開催され、大いに賑わいました。
パルコとソフトバンク下通店のあいだのアーケード下では園田智子トリオに
東京から河村英樹のテナーサックスが加わって最初のセットが始まりました。
二曲目に演じられたのは、その場に居た高校生の男の子がリクエストしたということで、
クルト・ワイルの名曲「マックザナイフ」をソニー・ロリンズがモダンジャズに編みなおした
表題曲でした。1956年のLP「サキソフォン・コロッサス」を私がよく聴いていたのは
20年後の学生時代。それからさらに30年以上たった今の高校生にとって、この頃の
モダンジャズはどんな輝き方をしているのでしょうか。おじいちゃんの時代の音楽を、
オトーサンの世代のミュージシャンが真剣に演奏して、どこか惹かれるボクが居る。
昨夜各所で燃え上がったメインストリートJAZZの炎は世代を越えて継がれる
暖かい文化の手触りをまた1ページ確実に人々の記憶に残していきました。




VOL.652 * 2013/06/30


「夏草はやがて枯れる」 詩篇37-2

熊本の上半期最終日は比較的おだやかな梅雨空になっています。おおむね灰色の
雲が拡がる中、遠くには明るい部分や青空の見える隙間もあちこちに見えます。さて、
世の中を見渡して少しは良いほうへ向かっている部分を探して見ることにしました。
今朝の朝日新聞に人口減少と少子高齢化が軍事にもたらす影響を考察した記事があります。
韓国・中国・台湾ともに兵役対象年齢の人口減と一人っ子比率の上昇によって、
必要人員の確保や士気の維持が難しくなっているとのことです。他のどの国でも
似通った構図がありそうです。自分が兵士になる可能性の無い人たちが勇ましいことを言って
軍事力で国威を増そうとしても、実は命令したい人は沢山居ても、命令に従う若者は
簡単には揃わなくなっているのです。アメリカ軍がイラクで電子制御ミサイルを使い
アフガンでは無人戦闘機で空爆しているのも武器の高度化で兵力を補う流れです。
巨額の軍事支出と多数の犠牲者を出しながらも、アメリカはイラクでもアフガニスタンでも
何の「果実」も得ることなく撤退へと向かっています。軍隊を使って武力を行使することが
いかに割に合わなくなっているか段々と明白になって来ていることは喜ばしい。

参院選に向かってネット選挙運動も盛んになるでしょう。中には黙っていられないような
言説が堂々とまかり通るような場もあるかも知れません。その場合は反論を試みるよりも
そのサイトから離れるのが良いと思います。自分の成果をとうとうと自慢して、
ひとの悪口を並べ立てる政治家は、夏草のように繁った後にしおれて枯れる筈です。



VOL.651 * 2013/06/09
 


「タイム・イズ・オンマイサイド」 ローリングストーンズ

雨上がりの空は遠くの地平だけ雲が切れて、明暗がちょうどニュートラルな
色合いに広がっていた。バス停に向かって歩行するボクの寝起きの頭脳に
なんの理由も無くストーンズの歌が降りてきて口からこぼれだしたのだ。
「♪たーあーいむっ」まさかボク以外の声が続きを歌うとは思わなかった。
「♪いずおんまいさーいっど」彼女は絶妙のタイミングと音程でボクに応えた。
あまりに出来過ぎた発端だと思われてもしょうがないが、それが出会いだったのだ。

もう何年も前のことでした。ひょっとしたら投稿者も伝聞の話としていたかも知れませんが
ラジオ番組でこんな内容の、ちょっと素敵な物語が紹介されたのを聞いて心に残っています。
今や50〜60代のオジサン・オバサン世代達は豊かな音楽環境を持っていたと、
今やっているNHK-FM特集番組を聴きながら密かに満足の笑みを浮かべております。
今日はロックの日。そして明日は時の記念日を迎えます。



VOL.650 * 2013/05/19
 


「国防軍の時代」

橋下某氏のお陰で岡林信康「性と文化の革命」の三番を久しぶりに思い出しました。
♪お偉い方がこのごろ言い出した 若い人がこのままじゃ可哀想と〜 
よっきゅうふまんのはけ口さえ 作ってやれば騒ぎはしない だから赤線を復活しようと…

1970年頃の政治家の考えそうなことを歌った内容を、"維新"を名乗る政治家が
そのまんま口にして、日本男性の一部が陥りやすかった恥ずかしい浅知恵をさらせば、
共同代表の石原某氏がご丁寧に「軍と売春はつきもの」と上塗りをしてくださいました。
ある意味とても分かりやすい説明になったと思います。(自民党の改憲案で)
自衛隊を国防軍にするということは、家庭を持つ普通の公務員が構成する組織から、
時には「風俗」に行って性欲を発散するような"猛者集団"へと変わることになるのだと。
かつて兵士は「損耗」するものであり、リフレッシュの「道具」として女性が用いられた、
国際紛争を解決する手段として武力を用いるとは、そのような時代への復古だと。



VOL.649 * 2013/05/15
 


「ミセス・ブラウンのお嬢さん」 ハーマンズ・ハーミッツ

一年のうちでも特に夜明けの早い季節に、我家の猫どもは午前五時過ぎには私の寝床の回りに
寄って来て、時には腹を押して目覚めを促します。渋々起きだしてゴハンをくれてやり、
猫砂の掃除もしてから二度寝しかけましたが、ふとTVをつけて素敵な番組に出会えました。
BS103chで午前5〜6時「BS洋楽グラフィティ60's」という番組、今朝がvol.2でしたから
昨日から始まったのでしょう。UK/USのポップスチャート曲を当時の音楽番組から集めて
ノンストップで流すのです。アニマルズ、ピーターとゴードン、バーズ、トム・ジョーンズ、
シーカーズ、スモーキーロビンソン…、最後にブライアン・ウイルソンがベース弾きながら
「ファンファンファン」を歌うビーチボーイズと、私達の感涙もの映像ばかりなのです。
表題曲も久しぶりに聴きました。一時は女の娘の熱狂度の点でビートルズと並べられることの
多かった彼らも、今では名前を聞くことも稀ですね。曲の最後にピーター・ヌーンが花道で
乱入したファンの女性にハグされながら You've got a lovely daughter と絞りだすように
歌った場面がほほえましかったです。6時になったらCSのミステリーチャンネルに変えて、
こちらでは0011ナポレオン・ソロを毎朝やってくれているので、どっぷりと60年代に
浸ることができます。早朝の高齢者向け番組もゴキゲンに変化しているのでした。




VOL.648 * 2013/04/27
 


「HIROSHIMA」 佐村河内 守

大型連休初日の午後はふと思い立ってEテレで話題の交響曲「HIROSHIMA」の
全曲放映を楽しみました。去る2月東京芸術劇場で大友直人の振る日フィルの演奏です。
私は全く初めて聴くのでしたが、三楽章とはいえ70分に及ぶ大作は、危惧していた無調風の
現代音楽ではなく、感情の起伏に富んだ旋律と響きのあふれる感動的な音楽でした。
ただ、何か記憶に残るモチーフに相当するメロディは一度目の鑑賞ではつかめませんでした。
もっと言えば富田勲や久石譲が渾身の映画音楽を書いた場合と通底するような感じです。
第三楽章が盛り上がって終わったときに目頭が熱くなったことは確かなのですが、
例えばベートーベンやマーラーがあの時代にシンフォニーを放ったときのインパクトを
持ちえているかといえば?マークを手に用意したくなります。別の方向から想像すると、
「HIROSHIMA」の感動が日本国中に広がり政治にまで影響を及ぼしたとします。
今度は演奏の終わりに立ち上がって10分以上の拍手を続けなければならないような
強迫観念を感じなくてはならないかという危惧が浮かんでしまうのです。
おおざっぱな構図で言うなら、クラシックの枠組みの中にこめられた革新性は
社会主義的きゅうくつさの中に収斂されてしまいはしないかと漠然と感じてしまいます。
佐村河内さんにリクエストがかなうとしたらいつかピアノ協奏曲を書いて欲しい。
そしてそれを山下洋輔や小曽根真などジャズピアニストの共演で聴きたいのです。
自由な感情の発露が許されるカデンツァ(即興演奏)を随所にたっぷりとアレンジして、
観衆もその出来具合に批評をこめて曲中の拍手でこたえるような形が理想です。




VOL.647 * 2013/04/03
 


「巨人大鵬自民党」

安倍総理は1月の故大鵬幸喜氏に続いて元巨人選手の長嶋・松井両氏への国民栄誉賞の
授与を行うそうです。「巨人大鵬卵焼」の決まり文句が発祥した時代にまさしく小学生だった
私にとって卵焼きはともかく、巨人大鵬は憧れというよりも立ちはだかる巨大な壁でした。
1974年秋の長嶋茂雄引退のシーンは、私にとってはV9巨人というベルリンの壁がようやく
崩壊した象徴として記憶に残っています。1969年に大鵬の連勝記録を止めたのが戸田と
いう力士で私と同郷。場所後に当時通っていた小学校に顔みせに来てくれたのも覚えて
います。最初は九州なので巨人よりも西鉄を、大鵬よりも朝汐を自然に贔屓にしたのですが、
次第に相手の強大さが憎らしくなり、たまに負ける瞬間を無常の喜びとする屈折した
アンチへと立派に?成長したのでした。で、いま何を声を大にして言いたいかというと、
巨人にしろ大鵬にしろ、自民党にしろ、好きかと問われた場合に「どちらかといえば」を
含めると半数を超えることがあるかもしれません。でも少なからず「阪神柏戸社会党」を
贔屓にする大衆も在るわけで、例えば国の根幹である憲法を変える発議をするならば、
半数ちょっとの「巨人大鵬自民党」派の言うとおりにしょっちゅう変えられたら困ります。
現行憲法が設けている2/3というハードルは「阪神柏戸社会党」派にも一定の理解を得る
必要のある優れた設定ではないでしょうか。末永く続きますよう祈っているしだいです。




VOL.646 * 2013/03/31
 

「ロメイン」 ビル・エバンス&ジム・ホール

メルシャンのお徳用赤ワインを昼からチビチビやりながら恒例の窓から独り花見です。
若葉も目立つ枝枝に、それでも花は散らずに大方残っていて、空はJAZZを聴きなさいと、
唆すような曇りかたをしています。漂うオフェリアを水中から見た(と勝手に解釈してる)
モノクロ写真のジャケットが名高いアルバム「アンダーカレント」を久しぶりにかけました。
表題曲はB面の一曲目、ギターのジム・ホールのオリジナルです。春の曇り空になんて
ピッタリ合う曲でしょう。ロメインとはおそらくヨーロッパ系の人名。ジムの知人なのか
オランダの歴史学者を指すのかは定かではありません、そうだロメインレタスという
先が広がっているけどサニーレタスよりは丸っこいのも有ります。ちょうど昨日スーパーで
そんなに古くないのに二個50円の奉仕品になってるのを見つけて、セロリと一緒に刻んで
美味しく頂いたばかりでした。ブルージイな至福に満ちた午後はゆっくりと過ぎていきます。




VOL.645 * 2013/03/11
 


「熊本に住みなっせ!」

二年前のあの時刻には、ちょうど翌日に迫った九州新幹線開通の取材で熊本駅に
居ました。福岡方面の事故でダイヤが乱れ博多行き特急つばめが担当運転士の
都合がつかなくなり5番線に長く停車していました。その時ホームで横に立っていた旅行客の
携帯電話の話し声で東京に異変が生じたことが解ったのです。急いで自分の携帯を
ラジオに切換えたイヤホンから津波警報が飛び込みました。もしあの瞬間に戻れたとして、
児童が多数犠牲になったあの学校に電話して、あらん限りの方法を講じて危険を伝え
られただろうかなどと度々夢想したりします。今年の熊本は微粒子スモッグにこそ
覆われたりしますが、雪害の北日本や福島の原発問題から離れた地で申し訳ないくらい
平穏な日常が過ごせていることに改めて感謝しなければならないでしょう。
私たちが出来ることとして、臨時にであれ永住であれ熊本に住んでみたいと思う被災者に
「出来るだけの手助けをしますから、どうぞ熊本に住んでください」と、心から呼びかける
こともあるのではと思います。熊本県の人口は十年前と較べると5万人以上も
減少しています。住み場所はもちろん有るし、たとえば評判の良い熊本野菜を増産して
東日本へ出荷する仕事など、就業先も工夫次第で創出できるはずです。




VOL.644 * 2013/03/09
 


「国民のカジノが第一?」

昨日国会中継を聞いていて驚きました。いまだに「カジノで経済振興を」などと
荒唐無稽な質問をする議員がいるのです。あとで調べてみたら鈴木克昌という
衆議院比例区東海ブロックで日本未来の党への票をもらって当選した生活の党
所属議員じゃないですか。女性議員たちが脱原発など生活者の意を汲んだ活動を
されている横で古参の男性議員は何をノーテンキなことを考えているのでしょうか。
射幸的な娯楽が生活の一部としてあって良いことは当然ですが人口減少傾向の今、
宝くじ、競馬競輪、パチンコなどすべて右肩下がりの状況にあり、あらたにカジノを
造ったところで社会貢献はおろか施設の維持さえ危ぶまれるでしょう。海外の
富裕層を呼べると思うなら幻想です。にわか作りのリッチ感で飾った施設に惹かれる
程度の小金持ちはいずれ下降してリピーターには成りえず、やがてカジノは廃墟に
なる可能性が大です。ひとつだけカジノ解禁に意味がありうるとするなら、もし
韓国のようにパチンコ・スロットを禁止して、その従業者の転職対策として全国の
限られた特区に造るカジノを受け皿にする場合です。パチンコ等の依存症の原因は
店が生活者のすぐそばで日常的に営業していることが大きな原因です。観光地など
限られたハレの場に隔離する事により依存症者を救えるなら反対はしません。ただ
今のパチンコ関連産業従事者をそっくり養えるだけの売上げは難しいでしょうね。
以上「生活の党」HPの意見募集アドレス宛メールしておきました




VOL.643 * 2013/02/21
 


「若草の丘」 
本間千代子

始めた当初は毎日更新していたこのコラムですが、不定期を宣言して後は次第に
間遠になってしまい、また一ヶ月経ってしまいました。世の中は良くなってるのか、
悪くなっているのか一見判断がつきかねますが、今朝も新聞読んで気になったのが、
福島第一原発では今も一日に数百トンの汚染水が発生していて、貯蔵タンクを
自転車操業の如く増設して対応しているらしいこと。今に原発の周囲はタンクだらけに
なりそうですが、この状態を電力各社の首脳はどんな気持ちで見てるのでしょうか。
原発に見切りをつける英断を下す経営者がもうそろそろ現れても良くはないのか。
表題曲は1968年のもの。原発の無かった清々しい日本の青春を謳歌しています。
♪そよ風が匂います 白いシューズが弾みます 若草萌える丘の径…
 




VOL.642 * 2013/01/20


「植木寄席・賛」

昨夜は北区役所の隣にある植木町文化ホールでたっぷり落語を楽しんできました。
芸術協会と落語協会から実力派中堅を選んだ瀧川鯉昇入船亭扇遊という組合せです。
まず前座を勤めた入船亭小辰の「金明竹」で会場が沸きました。加賀屋の使いの者が
しゃべる上方の口調がとても自然で、なおかつ度々の長台詞の繰り返しに微妙な変化が
つけてあって感情描写が上手。将来が楽しみな二つ目です。鯉昇は季節の噺「二番煎じ」。
番小屋での親父連中の隠れ酒盛りの描写に大爆笑。さらに扇遊が「片棒」で続き、
赤にし屋の主人の葬儀に彼を模したからくり人形の山車が出るくだりは、観客全員爆笑。
中入り後は鯉昇の「時蕎麦」ですが、時を甘味の好物に入れ替えるという無理筋の脚色も
後に出る蕎麦屋をナンセンスに徹して描いてまずまずの出来。扇遊が最後に何を掛けるか
楽しみでしたが「妾馬(八五郎出世)」を30分無難に演じました。折しも昨日は大学の
センター試験初日。「落ち」の無い噺を選んだのか、それとも翌日が「玉の輿の日」と
いうことからの発想か、タイムリーな話題に敏感な師匠なのでそれもアリかも。
いずれにしても地方のホール落語でめったに無いような充実した企画の木戸銭が
たったの千円(前売券)だったのは、ありがたいやらもったいないやら、でも嬉しいです。
合併後も気を吐く植木町文化ホール自主文化事業協会の皆様に深くお礼申し上げます。



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